皆さんは、副業せどりは
- 事業所得
- 雑所得
のどちらに該当すると思いますか?
確定申告の際、このどちらかに分類して申告する必要がありますがその判断基準は少々ややこしいものとなっています。
そこで今回は副業せどりは事業所得に該当するのかどうかについてご紹介します。
副業せどりは事業所得に該当する?

結論、基本的に副業せどりは事業所得に該当します。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。
国税庁が定めている仕組み上、「小売業」は事業所得に該当するので副業せどりは事業所得に該当するのです。
事業所得に該当しないケースは?
ただ、一部副業せどりが事業所得に該当しないケースが存在します。
例えば、サラリーマンが不定期に利益目的ではなく副業せどりをした場合です。
この場合、「事業」ではありませんので事業所得に該当することはありません。
一般的には「雑所得」と判断されます。
副業せどりには確定申告が必須!

さて、事業所得・雑所得のどちらに判断されたとしても副業せどりには確定申告が欠かせません。
確定申告は利益が出ているビジネスに取り組んでる人全員がすべきであり、無申告だと後にご紹介するような罰則が待っています。
最低限、副業せどりに取り組むものとして確定申告の流れを抑えておきましょう。
確定申告の流れは?
まず、確定申告の流れは
- 確定申告書Bを作成する
- 青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を作成する
- 所轄の税務署へ必要書類等を提出する(窓口提出、郵送、e-Taxで2月中旬~3月中旬)
- 納税を行う(還付金の受け取りになる場合もある)
のようになっています。
詳しくは「申告手続の流れ」を参照してください。
無申告の場合、どうなってしまうの?
ちなみに、確定申告をせずにそのまま副業せどりを続行した場合、以下のような罰則を受けることになります。
追徴課税 | 概要 |
---|---|
過少申告加算税 | (1) 本来納めるべき所得税額より少ない額を申告し税務署から指摘された場合に発生 (2)新たに納めるべき税金の10%、50万円を超えた部分は15% |
無申告加算税 | (1)確定申告の期限内に確定申告書を提出せず税務署から指摘された場合に発生 (2)納付すべき税額の15%、50万円を超えた部分は20% |
重加算税 | (1)帳簿の隠蔽や仮装など悪質な不正事実が判明した場合に発生 (2)過少申告加算税代えて35%、無申告加算税に代えて40%の税率が課される |
延滞税 | (1)法定納期限の翌日から完納するまでの期間に応じて発生 (2)年ごとの計算例による |
結局、追加で税金を支払う必要がありますので当期中に確定申告を済ませておくことをおすすめします。
副業せどりの収入を「事業所得」として申告するメリットは?

さて、先ほど「事業所得でも雑所得でも結局、確定申告が必要!」と述べました。
しかし、確定申告をする場合どちらに分類しているのかによって納める税金に差があることがあるのです。
一般的には、事業所得として申告をしたほうがいいとされています。
では、副業せどりの収入を「事業所得」として申告するメリットとはどんなものがあるのでしょうか。
損益通算
損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のもの(損益通算の対象となる所得の範囲(1)から(4)記載の所得)についてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額または山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。
引用:No.2250 損益通算
損益通算では、
- 事業所得:事業で赤字が出ても給与所得と合算して計算できるので相殺できる
- 雑所得:事業の赤字は他で補填できない
の違いがあります。
青色申告特別控除
青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その1つに所得金額から最高65万円または10万円を控除するという青色申告特別控除があります。
事業所得として青色申告特別控除を受けるためには、
- 複式帳簿による記帳
- 「貸借対照表」と「損益計算書」の提出
が必須ですが、最大65万円の割引が適用されます。
青色事業専従者給与
生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。
青色事業専従者給与では、
- 事業所得:家族に対する給与を経費として計上できる
- 雑所得:家族に対する給与は経費として計上できない
の違いがあります。
純損失の繰り越しと繰り戻し
我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。
純損失の繰り越しと繰り戻しでは、
- 事業所得:損失額3年間を繰り越して、所得控除を受けられる
- 雑所得:損失額3年間を繰り越して、所得控除を受けられない
の違いがあります。
少額減価償却資産
事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
少額減価償却資産では、
- 事業所得:平成30年3月31日までに取得した30万円未満の物であれば一括で経費として計上可能
- 雑所得:平成30年3月31日までに取得した30万円未満の物でも一括で経費として計上できない
の違いがあります。
まとめ

副業せどりは一般的に、事業所得に該当します。
ただ、稀に事業所得ではなく雑所得と判断されるケースもありますので確認しておくことをおすすめします。
どちらかというと、事業所得として申告をしたほうが享受できるメリットが多いです。